白いシャツに袖を通すと、なんだか澄んだような気持ちになりませんか?
花嫁が着るウエディングドレスの純白色、真っ白なキャンバス、大きな白い雲…。
何色でもないカラー、『白』。そんな白色には、どんなパワーが隠されているのでしょうか。
あなたは『白』好きですか?
白が好きなあなたは
純粋で繊細、正直で正義感のある人が好む白。
相手に合わせることが得意でニュートラルに物事に取り組むけれど、実はガラスのハートの持ち主なのです。周りからズカズカと入ってこられるのは苦手で、完璧主義ゆえに自分にも他人にも厳しいところを持っているかもしれません。少し、考えすぎたり感じすぎてしまった時は、乳製品や大豆食品、ナッツなどの白い食材から色を取り入れてみましょう。興奮を抑え、精神のバランスをとってくれる幸せホルモン「セロトニン」の原料となるトリプトファンというアミノ酸を摂取できるのです。流行りの甘酒などもおススメですよ。「色白は七難隠す」美肌効果にも一役かってくれるでしょう。信頼感や誠実さを表す白は、コミュニケーションカラーとしても活用されています。男女問わず白のファッションは初対面の人に、「あなたを受け入れます、何も隠していませんよ」というメッセージを送ります。
肌を美しく魅せる効果も
紫外線の強い季節になり、日傘の購入を考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。白と黒、どちらがよいかを尋ねられることがよくあります。白は光を反射することで紫外線をカット、黒は光を吸収することでカットしています。どちらが肌へのダメージが少ないかというと黒に軍配が上がります。また、これからの季節は地面からの照り返しも強いので傘の内側が白だと顔に反射光が当たってしまいます。肌色を明るくきれいに見せてくれるのは白ですが、日焼けは何としても阻止したいとお考えの方は黒や紺の方が効果的でしょう。
一口に白といっても様々な色があるので、ぜひ、ご自分に似合う白を知って、活用してみてくださいね。
視覚から白を考える
色によって重さや大きさに感覚の違いがあることをご存知でしょうか?
全く同じ重さの荷物を白と黒の箱に入れ運搬するという実験では、心理的な重さの感覚は黒の方が白の約2倍近く重く感じるという結果になりました。引越し業や宅配業の段ボールの色に白が多いのは、運搬者の心理的負担軽減のための工夫の一つなのです。また、大きさの感覚では、白はものを実際以上に大きく見せる膨張色です。
碁石の大きさは、白と黒が同じ大きさに感じるように白の方が少し小さく出来ていますよ。
これらはインテリアの色を考えるときにも活用できます。安定感と安心感のある空間づくりには床、壁、天井と上に行くほど白に近い明るい色を選ぶと良いでしょう。ただし、真っ白は色の中で最も光の反射率が高い色で、この眩しい位の反射は人の目を疲れさせ、落ち着かない状態になるので、注意が必要です。アイボリーやオフホワイトなどのやや黄みがかった白を使用する、またはエンボス加工のようなデコボコした素材のもので細かい影を作るなどの工夫をお勧めします。小さな色見本でみたときに「少し暗いかな?」と思う色が、面積が広くなるとグッと明るくなるので色選びには引き算が大切です。
素であり無である神の色『白』
白は神の色として、洋の東西問わず尊ばれてきました。神が白鳥、白馬、白蛇などの白い生き物の姿に変身して登場してくる物語はたくさんあり、神聖なシンボルとされてきました。元々、古代日本の白は、「古事記」の「稲羽之素兎(いなばのしろうさぎ)」や「日本書紀」の敗戦を掲げる「素幡(しろはた)」に見られるように「素」で表現され、「無」色を意味していました。清めの塩が白であるように、全てを浄化して無垢な心で新しくスタートするというイメージの象徴色なのです。
マイナスイメージの少ない白は日本のみならず世界中で嗜好色のトップに挙げられています。
さぁ、暮らしの中に『白』を取り入れてみませんか?
白いシャツの袖を通してみると、無垢な気持ちで、そして素直に毎日を過ごせるかもしれませんよ。
(本記事はwebマガジンに掲載した内容を一部編集しています。)