幸福と平和の象徴であるカラー「青色」。
青い空、青い海、というように青というカラーはどこか自然と一体となっている身近な色のひとつと言えるかもしれません。そんな「青色」を暮らしの中にとりいれてみませんか?

青を好む人は

冷静で理知的、争いごとを嫌う平和主義者が好むのが青。いつも落ち着き、周りからの信頼も厚いリーダーといった感じです。真面目がゆえに、「~しなければならない」という思い込みに陥る癖や、言いたいことを飲み込んでしまう癖をもっているかもしれませんね。青は水との関わりが深い色です。
そんな時はストレスになる前にきれいな水を飲み、まさに水に流してしまうとよいかも知れません。

尊い神秘的な色

壮大な空と海、宇宙の「青」は私たちにとって最も身近な自然色の一つといえるでしょう。
しかし、土の茶色や木々の緑のように実際には物質そのものが青い色をしているわけではなく、光の散乱や反射によってそう見えるという不思議な色でもあります。
キリスト教の聖母マリアの外套の青や、メーテルリンクの「青い鳥」に象徴されるように、神話や伝説、芸術作品には青を尊い存在として表現しているものが多く見られます。
どこか神聖かつ神秘的で、つかみどころのない空想の世界を思わせるような色でもあるのです。
『something blue』とは花嫁が挙式の当日、何か青いものを身につけると幸せになれるという言い伝えです。幸福や平和のシンボルカラーでもあるのです。
プラスのイメージの強い青は、世界中で老若男女から好まれる嗜好色トップの色でもあるのです。

青・紺・藍…・日本人が古くから親しんできた色

「ジャパンブルー」という言葉があることからもわかるように、青は私たち日本人にとって最も身近な色の一つでしょう。
明治時代、政府の招聘によって来日したイギリス人科学者が日本の至る所で見る藍色を「ジャパンブルー」と記述したことがこの呼び方の由来です。藍は人類最古の染料で、4000年もの歴史をもつと言われています。
日本に伝来したのは飛鳥時代で、青系の伝統色のほとんどは藍によるものです。
甕覗、白藍、浅葱、縹、納戸、搗色・・・「藍四十八色」と呼ばれるほどバリエーション豊かです。
江戸時代には、藍染めが流行し、あちこちに「紺屋」と呼ばれる藍染め専門の染物屋ができ、庶民から大名、将軍までもが愛用しました。
そんな紺屋の忙しさから生まれたことわざが「紺屋の白袴」(他人のことに忙しく、自分に手が回らないという意味)なのです。

犯罪防止や集中力を増す効果も

「静」という漢字には「青」が使われているように沈静効果の高い色で、エネルギーの代謝を抑え、血圧や脈拍を下げる効果がある色です。
鉄道自殺防止の試みとして、ホームの前後方や踏切に青色のLEDを設置している例を目にされたことがあるかもしれません。照明光を青色に変えたことで犯罪発生率が減るなど、青には突発的に高ぶった興奮を抑える効果があるのです。
また、集中力を増し、頭をクリアにする働きもあるので、オフィスや勉強部屋などじっくり物事に取り組みたい場所におススメの色です。ただし、寒色系の代表で実際の温度よりも体感温度が低く感じられるので、使い方に注意が必要です。ブラインドーやカーテンなど部屋の一部に取り入れると良いでしょう。

(本記事はwebマガジンに掲載した内容を一部編集しています。)